とある1日

私は某仕事のプレゼンテーションのために難波の駅をスーツ姿で歩いていた

もともと堺市民の私にとって難波は庭みたいなもので、
地下鉄から南海難波までのお気に入りルートもある。

最近の難波は関西国際空港へ向かう旅行者も多く以前の難波とは大きく違っている。

午前9時の難波は、通勤ラッシュも終わり人もまばらでかなり歩きやすい

人ごみを避けずに歩けるこの時間は結構好きだったりする。

旧ロケット広場を抜け、アパレルショップを左に見ながら私は歩いている

今日のプレゼンはなにを話そう
どんなことを伝えよう
どんな質問をされるだろう
コーヒー飲みたいなー

そんなことを考えながら、少し前にいる団体を抜かしていった

「ナンバエキハドコデスカ」

抜かし際に突然後ろから声を掛けられた
突然声を掛けられるとそれが日本語ということすら判断が難しい
ただ、自分に向けられた言葉だということを察した

「はい?」

しかし突然の質問にかっこよく英語や日本語で返せる実力は私にはない
口から出たのはなんとも情けない言葉だった

「ナンバエキハドコデスカ」

今度は状況が判断できた
旅行者の集団が、南海難波の駅がどこかというのを私に聞いているのだ

私は考えた
この道をまっすぐ行って曲がってエスカレーターを上がったところですと

しかし、英語がエスカレーター以外わからない
かろうじてストレートくらいはわかる

目を泳がせながら私はなんとか答えた

「この道をまっすぐいって曲がったらあるよ」

あー情けない
かろうじてジェスチャーを交えて伝えた

「オーケー」

彼からは理解した
一安心だ

しかし、少し不安なので少し前を歩きながらチラチラ後ろを見ながら
ちゃんとついてきているかを見ていた

なんとか彼らを難波駅に誘導し、私はこのミッションをこなした

この日のスタートはなんとも波乱に満ち溢れていたのである

カフェで盛大にコーヒーをスーツとカバンにこぼした話や
栄養ドリンクで手が震えた話や
陶器のレンゲを盛大に落として割ってしまった話

今日はこの後にもハプニングが続々

でもそれはまた別のお話

それでは

松本