観察から見えた大人の「心のリミッター」

 

2020年がはじまりました!

 

今年5月に子どもが生まれたので、家族3人で迎える初めての新年で、年末年始にこれだけ仕事をせずに家族と過ごしたのは初めて(今まで何をやっていたのか)ではないか。という、いつもと違う年の越し方をしました。

 

いつもより長く家にいて、子どもとも過ごす時間がとれたのですが、さすがにまだ一緒に遊んでくれるわけでもなければ、話をしてくれるわけでもないので、特にコミュニケーションが楽しいわけではないです。(笑)

ただ、対象物として観察するにはとても魅力的な存在です!!!

行動のパターンはとてもシンプルで、同じような行動サイクルを繰り返していることがわかったので、ご紹介。

■ふしぎないきもの図鑑

○名前:スイーリ(8か月)

○大きさ:体長は不明、重量は8.6kgほど

○主な食事:粉ミルク、離乳食

○主な行動パターン

・スカウター:
自分の興味に従い、気になるものを見つける。主に移動の前に行われる。

・匍匐前進(ほふくぜんしん):
主に平面での移動手段として使われる。興味・関心の大きさに比例してスピードを変化させる。

・クライミング:
主に上下移動に用いられる。匍匐前進の体制のままで体をのけ反り、対象物に全力で手を伸ばし、両手をかける。その後、腕の力で膝立ちまで持ち込み、直立する。

・つかみとる:
対象物の固さなど、一切の配慮なく思うがままに全力でにぎりつぶす。たまに、変わり果てた対象物に驚いて泣く。(「手加減」の大切さを勉強中。)

・ふにゃふにゃ:
口から湧き出る体液で、すべてのものをウェットにしながら、消化酵素の力でやわらかくしようとする。

・がぶり:
どういう判断基準でなんのフィルターを通しているのかは不明だが、だいたいの対象物を負傷させる。

・受け身をとる(練習中):
ずり這いから直立姿勢にはなれるが、逆はまだできない。そのため、ここで彼自身の身に危機が迫る(ただし、本人はその危機にまだ気がついていない。)。
もう立つのがしんどい(体力の問題)or視線があがったことや物音で新たな対象物が目に入った(いまを超える新しい興味関心の対象物を見つけた)瞬間、我(受け身をとれない自分)を忘れて、新しいものに向かう。そのとき、重力の恐ろしさを目の当たりにする。

下に何かクッション材となるものがある場合は衝撃吸収の役割をしてくれるが、多くの場合は大人の思うとおりに体重移動されることはない。
結果、ポケモンと比べるとかなりの高確率で、「一撃必殺」をもろに食らい、ひんし状態になる。

※ひんし状態になったときは、顔のパーツがすべて線と化し、手元の時計でおよそ4秒間、時が止まった(呼吸は止まっている)かのように、声を出すのを忘れるのが特徴である。

・あまえる:
おれはみじめだ、助けてくれんとばかりに声をあげる。地上約1.5mの上空で捕獲されると、瞬時に泣き止む。信じられない回復力である。何もなかったかのように、次なる興味・関心に目を向け、何かを訴え始める。

(ここまで)

日々、一日の中でこのサイクルを繰り返しまくっている。

 

「子どもの成長は、はやい」という言葉をよく耳にするし、見ていて本当にそうだと思っていたけど、
こうやって書いてみるとその理由も納得する。

 

常に周囲に注意を向け(注意意識)、興味・関心を見つけ(動機付け)、アクションを起こす(自己決定)。※ここまででおよそ5秒。

うまくいくかどうかはわからないけど、成功すれば自信を身につけ(自己効力感)、失敗すれば大人を頼る(自己受容)。

そのサイクルを一日に何度も繰り返しながら、行動による結果から「自己理解」を深め、難問にもチャンレジして「試行錯誤」もしている。

 

こんな小さな生き物が、一人前と言われる大人なんかよりも着実に行動を起こし、脳内のシナプスをえげつないスピードでつないでいってる。

 

大人になるとできることは増える。同時に、「できないかもしれない」と思うことも増える。

生まれたばかりの子どもは、できないことが少ない代わりに、「できないかもしれない」と思っていることもほとんどない。

経験や思い込みに基づくさまざまな情報が、自分自身に「心のリミッター」をかけている。

「大人になる。」とは、どういうことなのか、改めて考えさせられる。

 

2020年。いまもこれからも、自分は自分にとって、最大の味方であり、敵でもある。

自分自身に勝てる1年にしていきたいと思う、年末年始の一部始終でした。

 

(ふくい)