裁判長!!それ私もわかりません!!

「どうしたらいいですか?」

これは私を最も困らせる質問だ
そして私は聞き返すのだ
「どうしたいのですか?」

相手はだいたいこう答えて私を困らせる
「わかりません」

こころの弁護人がこう叫ぶ
「裁判長!!この検事側は証拠不十分でこの裁判に挑んでいます!」

聞く人は往々にして聞くまでなにもしていないことが多い
もしかしたらその人の中ではなにかしてるのかもしれないが
調べたことに入らないようなことを調べたと主張している

Googleで調べたり、BHwikiで調べたりそんないくつもの方法があるような気がする
でもなにも考えずに人に聞く
SiriやAlexaと会話をしたほうが生産的だ

人間なので考える機能も付いているのにそれを怠る

こころの弁護人が閉廷を叫ぶ
「裁判長!!この会話に生産性も私が頑張る理由もありません。ここはいったん閉廷を」

現実世界の私も冷たく囁く
「で、どうしたいの?」

もうこうなったら流れる空気は気まずく、冷たい
相手は捨てられた犬のような目で黙って見つめてくる
もうこの時点で私は他のことを考えている
粘り強く立っているがそれは時間と立っているエネルギーの無駄だと思い

こいつ地球にやさしくないなと思う

もし、わからないのであれば、自分がここにたどり着くまでなにをしたかを教えて欲しい
もし、わからないのであれば、答えではなくやり方を聞いて欲しい

ルールが決まっている中でのわからないことなのであれば、
GoogleやBHwikiに載っている

ルールが決まっていない中でのわからないことは、
正直私も考えないとわからない

「人間は考える葦である」
パスカルは考えることができることにその偉大と尊厳があると説いている
考えなければ川辺に生えている葦並みに人間は弱い存在であると

ペッパーくんが台頭している昨今
私の前に現れる「どうしたらいいですか」怪人は考えることを放棄しているように感じる。

考える。考えろ。思考をとめるな。
君たちができることはそのいい頭で考えることだけだ

私はこう叫びたい
「裁判長!!最近誰も出廷してきません」

松本