設立趣旨書 |
1 趣 旨
居場所を失った子どもたちはいま、街に溢れています。学校はその制度疲労から抜け出すことができず、多忙を極める教師は、生徒達の把握すらできないのが現状です。家庭は核家族化の中で、世代を越えた関わりを持つことができず、子供達の価値観の広がりは限られています。地域も、急速な住宅開発、住民の激しい入れ替わりにより、コミュニティーを形成することが困難な状況にあります。その中で、子供達は迷い、苦しんでいます。その迷いや苦しみは時として刃となり、自分自身や他者に向けられます。私たちはその思いを受け止め、共に歩む者として、ブレーンヒューマニティーを設立します。
私たちが意図するのは、子供達の価値観の広がりです。様々な価値観、生き方、人格にふれることにより、その視野は拡がっていくことでしょう。かつては、家庭や地域のなかで、コミュニティーが形成され、世代間を越えた縦のつながりや異なった環境下にある同世代との横の関わりにより、成長の過程においてそれぞれの価値観が作られてきました。しかし、コミュニティーなき今、組織や団体がそれを意図した形で取り組みを始めなければなりません。私たちは、その手段として、様々な世代、職業、文化、国籍の人々と子供達とのふれあいを行っていきます。
おそらく、その媒体は多岐にわたるでしょう。教室での学習だけでなく、屋内外における日常のふれあいや現場における実体験、コンピューターを利用した距離を超えた関わりも視野の中にあります。私たちは、子供達を中心としたコミュニケーションネットワークを構築し、子どもたちにより多くの価値と接する機会を提供します。そのため、教室での学習はもとより、様々な媒体を通して子供達の価値観形成に寄与します。
特に私たちが位置する西宮は、兵庫県内においても多くの教育機関が集まり、文教地域としての機能を果たしています。そこには数多くの学生が通い、学術、文化の発信地でもあります。私たちはこの地域特性を活かし、学生との協働により、その活動を維持発展させていきます。これにより、子供達と学生とのつながりが生まれ、そこにコミュニティーが形成されていくことを意図します。
私たちの試みは唯一普遍のものではないかも知れません。むしろ、唯一普遍的な価値観に疑問を呈することが私たちの試みです。今、子供達に必要なのは選択肢の幅だと思います。唯一普遍なものを押しつける画一的な教育は、現代の価値観の広がりに追いつくことはできませんでした。そして、そこから溢れた出た子供達を排除する結果を生み出しました。私たちは、社会が子どもたちにより多くの選択肢を用意するべきだと考えています。そして、私たちはその選択肢の一つになりたいと願います。
私たちは信じます。子供達の可能性が無限であること。子供達がこれからの社会を担うこと。そして、その子供達が新しい社会を創り出す原動力となること。そのため、私たちはその知恵と力を結集します。子供達のため。私たちのため。そして、これからの社会のため。
いま、ここにブレーンヒューマニティーは動き出します。 |
2 申請に至るまでの経過
私たちは1994年に関西学院大学有志により創立された関学学習指導会を母体として、設立に至りました。関学学習指導会で行ってきた家庭教師の派遣事業や阪神・淡路大震災被災児童等の支援活動、子どもたちに対するレクリエーション活動などをさらに発展拡張させ、安定継続した事業の維持を行うため、法人を設立することとなりました。
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1999年10月30日 |
特定非営利活動法人ブレーンヒューマニティー |
設立代表者 |
住所 ■■■■■■■■■■■■■ |
氏名 能島 裕介 印 |
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