TSU・NA・GI

●編集後記「ひとりごと」 19

 夏休みがおわり、学祭シーズンを経て、私を含めた三回生のスタッフは、就職活動シーズンへの突入をした。そして、そろそろ「師走」として、年末年始の諸出来事が始まる。これが終われば、あれが始まる。そして、あれが終われば、またその次の事柄がスタートする。◆最近、大学生というのは「忙しい」というより「慌ただしい」という表現の方が似合っているのではないかと思っている。決して忙しいというわけではないが、次から次へと新たなことが迫ってくる。年間を通せば、ルーティンのように見えるが、そうではない(決して、“社会人”が慌ただしくないと言っているのではない)。◆ここ数ヶ月、私もあちこちの研修やセミナーなどに呼ばれて行くことが増えた。そこで、当会ボランティアではない、多くの学生/若者たちと接する機会を与えられているのだが、そこで感じることがある。それは、今更言うことではないことかもしれないが、学生というのはモラトリアムな時期であるが故に、何らかの予定を詰め込んで、無意識てにであれ「何か」を得ようとしているのかもしれない。◆「慌ただしい」というのは「落ち着かない」という意味であるが、では「落ち着く」ということはどういうことだろうか。それは「何か」自らをある程度、強く自己同定できるものを見出すことなのではないか。その様に思えば、いつ「落ち着ける」のだろうかと考え込んでてしまう。当面は「慌ただしく」過ごすのだろう。◆そういえば、もうそろそろ「師も走る」という“慌ただしい”年末を迎えようとしている。そんな先のスケジュールを見ていると、たまには立ち止まって、「慌ただしさ」を越え出る「落ち着き」を得るべく、自己と見詰め合う深呼吸する時も必要もあるんだろうと、思ってしまう。(かわなか)

「TSU・NA・GI」編集長 川中 大輔

TSU・NA・GI第3巻第4号(2001/12/1発行)より